2014年第2四半期の輸入割当頭数を公表(インドネシア)
2014年第2四半期の輸入割当頭数は、27万8000頭
現地報道によると、インドネシアの2014年第2四半期(4〜6月)の生体牛輸入割当頭数は、27万8000頭(うち肥育もと牛21万4000頭、と畜直行牛6万4000頭)となる見込みである。今般の大幅な輸入量の増加は、最需要期に当たるイド・アル=フィトル(断食明けの大祭、2014年は7月末〜8月第1週)を見越したものとされる。
インドネシア商務省は、2014年の生体牛輸入頭数を、75万頭(うち肥育もと牛52万5000頭、と畜直行牛22万5000頭)と見込んでおり、第1四半期(1〜3月)の輸入割当頭数は、15万6605頭(うち肥育もと牛13万245頭、と畜直行牛2万6360頭)であった。この他、2014年は繁殖用雌牛18万5000頭を輸入する予定である。
一方、国内の牛肉消費は堅調に増加しており、インドネシア政府は2014年の牛肉消費量を57万5000トン(部分肉ベース)と見込んでおり、13万2000トンを輸入で賄うとしている。
インドネシアでは、牛肉の自給率を向上させるため、2012年から2013年上半期にかけて輸入規制を実施した。この結果、国産牛のと畜が進んだほか、国内需給がひっ迫し、現在も価格高騰を引き起こしている。このため、昨年7月から輸入割当頭数を国内の牛肉価格と連動させた新たな輸入制度が導入され、価格高騰下において、輸入業者は任意の輸入量を申請できるようになった。
輸入量を増加させるも、依然として牛肉価格は高水準
インドネシアの国内経済はインフレ傾向にあり、食品価格の中でも牛肉の価格高騰は顕著である。その対策として政府は、2013年下半期以降、生体牛の輸入頭数を大幅に増加させている。しかし、ジャカルタ市内の牛肉価格は、今年の3月に入っても1キログラム当たり10万ルピア(約900円)付近を推移しており、依然として高水準にある。
また、現地報道によると、政府が牛肉を短期間で過剰に供給させたため、加工向けなどで荷動きが悪い状況にあるという。
【木下 瞬 平成26年3月20日発】
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