中国農業部は、2014年3月26日、「全国肉鶏遺伝改良計画(2014−2025)(全国ブロイラー改良計画(2014−2025))を公表した。
本計画は、2025年までにブロイラーの新品種を40種類以上作出し、国内市場における中国産品種の市場シェアを60%以上に拡大させることを目標としている。さらに同計画では、国内のブロイラー産業の競争力を向上させ、種鶏の安定供給体制を確立させることとしている。
農業部によると、食肉の中で鶏肉は豚肉に次ぐ消費量であり、2013年の飼養羽数は87億7000万羽(対前年比7.1%増)、鶏肉生産量は1217万トン(同8.0%増)と前年度から増加している。鶏肉は今後も需要増加が見込まれるため、今般の計画策定は、ブロイラーの生産性を向上させることで、鶏肉需要を支える狙いがある。
同計画の主な内容は以下のとおり。
1.国産ブロイラーの優良品種育成体制の強化
黄色種(中国在来種、主に南部で飼養される小型の鶏)の新品種を作出し、中国産品種による市場シェアを拡大させる。さらに、これらの品種改良を進め、出荷体重や出荷日齢などを欧米品種の水準に近付ける。
2.優良な国産ブロイラーの確保と雛供給体制の拡大
品種開発から雛の供給までを一体的に行う種鶏企業を育成する。また、これらの企業の衛生管理水準の向上に努め、幼雛の安定供給に資する。
3.国産ブロイラー育種の支援体制の構築
品種改良に当たっては、地方との協力もと、地域の在来種などの優良な遺伝資源を活用する。さらに、分子生物学など先進的な技術を用い、肉質などに優れた品種を作出する。