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家畜のと畜に対する気絶処理(スタニング)を義務付け(デンマーク)

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 デンマーク政府は2月17日、同国内でのと畜に関する新たな法令を制定し、気絶処理(スタニング)を行わないと畜を全面的に禁止することとした。
イスラム教のハラルや、ユダヤ教のカシュルートのように、宗教的理念に基づく食肉処理の規定がある。宗派によっては、気絶処理を行わないと畜を求めている場合もあることから、この決定に対する宗教的反発が予想されている。
 今回の法令は、気絶処理を義務付けたものであり、宗教的なと畜処理法でも、同様の処理を義務付けている。なお、EU規制では、宗教的な理由に基づく場合、気絶処理は例外的に必要とされていない。今回の決定は、と畜時の家畜の精神的苦痛を和らげる観点から、アニマルウェルフェアを優先したものとしている。
 なお、デンマークでは、この10年間、全てのと畜時に気絶処理が実施されている。
 デンマーク農業大臣によると、豚のウェルフェアを改善するために必要な措置であるとしている。
 今回の決定をうけて、ユダヤ教やイスラム教の団体からは批判の声が出ており、署名活動も行われている。デンマーク国内では、今のところ大きな混乱は生じていないが、今回の措置は増加するイスラム教信者に対する国民の何らかの不満が背景にあるとの見方もある。
 また、スウェーデン、ポーランド、スイス、ノルウェーでは、既に気絶処理を行わないと畜は禁止されている。

【参考:用語の定義】
と畜時のアニマルウェルフェアについて規定したEU規則(EC) No 1099/2009では、気絶処理(スタニング)とは、痛みを伴わずに意識や感覚を喪失させることを意図して用いられる行為を指し、即死を含むものと定義している。
【宅間 淳 平成26年4月11日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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