中国とブラジルの両政府は4月8日、トウモロコシ取引の衛生に関する協定に署名し、中国はブラジル産トウモロコシの輸入を解禁することとなった。この署名に先立ち、中国国営企業の中糧集団(COFCO)は、南米から大豆調達の実績がある来宝集団(ノーブルグループ)に15億米ドル(約1530億円:1米ドル=102円)を出資し、子会社化した。同社はブラジルやアルゼンチンなどに貯蔵施設などの物流拠点を保有しており、今回の子会社化は南米からの飼料調達を円滑にする狙いがあるとみられている。
中国は、これまでトウモロコシの輸入の9割以上を米国に依存してきた。しかし、米国産トウモロコシは2013年11月以降、中国側で未承認の遺伝子組換え品種が検出されたことを理由に、これまでに100万トン以上が荷揚げを拒否されている。
一方で、米国への依存を減らすため、中国は2012年2月にアルゼンチンと、同年11月にウクライナとの間で、今回同様の検疫協定に署名し、輸入を開始した。このほか、ペルー、タイ、ラオスからの輸入も承認し、調達先の多角化を進めているとされている。
現地報道によると、中国は長期的なトウモロコシ需要の増加に対応するため、こうした輸入先の多角化を進めており、さらにブラジル産は米国産に比べて、価格競争力があるとしている。
なお、中国の2013年の飼料用等トウモロコシの輸入量は、国内の豊作を受け、326.4万トン(前年比37.3%減)となった。