2013/14年度主要穀物の生産状況等調査結果(第10回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は7月9日、2013/14年度(10月〜翌9月)第10回目となる主要穀物の作付状況調査報告を発表した。これによると、トウモロコシ生産量は7820万トン(前年度比4.1%減)、大豆は8627万トン(同5.9%増)となった。
トウモロコシ:2013/14年度の生産量、前年度比4.1%減の7820万トン
CONABは、第1期作のトウモロコシの作付面積を668万ヘクタール(前年同期比1.5%減)と推計しており、この作付面積減少の要因を、生産コストが安く収益性の高い大豆にシフトしたことを挙げている。また、南東部を中心とした高温乾燥による生育被害が発生して単収も減少したことから、第1期作の生産量は3201万トン(同7.4%減)と見込んでいる。地域別に見ると、北東部地域以外の生産量は前年度から軒並み減産が見込まれ、主要生産州の中では、南部のパラナ州での作付面積の減少幅が大きく、同23.9%減としている。一方、北東部の作付面積は同27.5%の大幅な増加としており、今年度は、南部、南東部に次ぐ第1期作のトウモロコシ生産地域に躍進するとされている。
第2期作トウモロコシの生産量は、前回報告から53万トン増の4619万トンとなった。これは、主要生産州であるゴイアス州において、単収が前回報告から3%上方修正された影響が挙げられる。一方で、国内第2位の生産州であるパラナ州では第2期作でトウモロコシと競合する小麦の作付けが拡大したことを受け、今年度の生産量が減少する見込みとなっている。
CONABは、生産量の大幅な伸びが期待する地域として、これまでと同様に北東部を中心としたマトピバ地域を挙げており、作付面積と単収の増加により、2013/14年度の同地域の生産量は国内全体の生産量の約9%に相当する689万トン(同64.1%増)まで拡大するとみている。
大豆:2013/14年度の生産量、前年度比5.9%増の8627万トン
2013/14年度の大豆の作付面積は、トウモロコシからの転換が進んだことで3011万ヘクタール(前年度比8.6%増)と推計されている。この結果、同年度の生産量は、前回報告から作付面積と単収がわずかに上方修正されたことを受け8627万トン(同5.9%増)としている。今年度の主な増加要因としてCONABは、国内最大の生産州(国内生産量の約3割)であるマットグロッソ州の作付面積、単収が共に増加見込みとなったことを挙げている。ただし、南部、南東部を中心に昨年末から今年の2月中旬にかけて発生した高温乾燥の影響により、今年度の単収の国内平均は同2.5%減が見込まれている。
CONABは、生産量の大幅な伸びが期待される地域として、トウモロコシと同様に北東部を中心としたマトピバ地域を挙げており、作付面積と単収の増加を受け、同地域の生産量は国内全体の生産量の約1割に相当する867万トン(同27.1%増)まで拡大するとみている。
【米元 健太 平成26年7月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8609