ブラジル産牛肉の輸入再開見込みを発表(中国)
中国の習近平国家主席は、7月17日、ブラジルとの2国間会議においてブラジル産牛肉の輸入再開を見込んでいると発表した。中国は、2012年12月にブラジルのパラナ州で非定型のBSE(牛海綿状脳症)が確認されたことを受け、同月に同国産牛肉の輸入を禁止していた。
今回の発表の背景には、(1)中国の牛肉輸入量が大幅に増えていること、(2)OIE(国際獣疫事務局)がブラジルのマットグロッソ州で新たに発生したBSEも非定型であったことを受け、同国のリスクを「無視できるBSEリスク」に据え置いたこと、などが挙げられる。
ブラジルのネリ・ゲレール(Neri Geller)農牧食料供給大臣は、中国への牛肉輸出を今後早急に行いたいとし、現在のところ、9ヶ所の対中輸出認定施設が必要との認識を示している。
近年、ブラジル産牛肉の主要な輸出先の一つは香港であり、2013年の香港向けは前年比117.6%増の21万7000トンとなった。なお、輸出停止前に当たる2012年の中国向け輸出量は1万7000トンであった。
一方、ブラジル牛肉輸出業協会(ABIEC)によると、ブラジルの今年上半期の牛肉輸出量は前年同期比13.9%増の59万8000トンとなり、過去最高を更新した。
輸出内訳は、香港向けに加え、中東、北アフリカ向けが大幅に増加している。
【木下 瞬、米元 健太 平成26年7月29日発】
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