経済制裁実施国に対し、農畜産物の禁輸措置を発令(ロシア)
ロシア連邦政府のメドベージェフ首相は8月7日、前日に発令された大統領令に基づき、農畜産物の輸入規制の対象とする国と品目を発表した。
禁輸措置の対象となった国は、米国、EU加盟国(28カ国)、カナダ、豪州、ノルウェーであり、品目は食肉、魚介類、乳製品、青果物などである(表1)。ただし、乳児用粉ミルクなど乳幼児向け製品は対象から除外されている。
なお、今回の措置は、8月7日から一年間実施される。
対象となる5カ国・地域からロシアへの輸入実績(2013年、金額ベース)を見ると、食肉(HSコード02番台)では輸入額全体の42.8%(表2)、乳製品(HSコード04番台)では同70.7%(表3)のシェアを占めている。このため、ロシア国内での食料需給ひっ迫を懸念する声も上がっている。
なお、今回の発表の中で同首相は、規制対象となる農畜産物、原材料、食料の小売り販売価格の高騰を防ぐため、行政組織は一体となって取り組むよう命じており、連邦政府の産業貿易担当大臣と農業大臣とが密接に連携するよう指示している。
具体的には、農業大臣に対して、生産者組織との連携による農畜産物の供給増加を、産業貿易担当大臣、農業大臣、経済開発大臣、連邦政府公正取引委員会に対しては、流通業界、貿易団体との連携による価格上昇の抑制を挙げている。
【宅間 淳 平成26年8月8日発】
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