世界貿易機関(WTO)は8月22日、アルゼンチンが導入していた輸入規制措置に対し、国際貿易の規則に違反するとの報告書を公表した。
アルゼンチン政府は2012年2月以降、大半の外国製品の輸入に対し、輸入業者に事前の申告を義務付ける事前輸入申告制度(DJAI)を導入していた。同政府は、これにより、輸入量や輸入額を制限することで恣意的に輸出入のバランスを図り、結果的に輸入を停滞させていた。しかし、2012年5月にEUが同措置をWTOの紛争処理小委員会(パネル)に提訴して以降、米国、日本および豪州などからも提訴が相次ぎ、2年の審議を経て、今回の裁定が下された。
アルゼンチンは、今回の裁定を不服とする場合、60日以内に上級委員会に再審査を求めることができる。
なお、アルゼンチンは米国が同国からの牛肉等の輸出を妨げているとして、同じくWTOに提訴しており、2015年初旬に報告書が公表される予定である。