米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が9月30日に公表した飼料穀物の在庫報告によると、2014年9月1日時点のトウモロコシの在庫量は、前年同月比50.5%増の3100万トンと大幅に増加した(図)。特に、トウモロコシの輸送手段として、主に鉄道を利用するミネソタ州やノースダコタ州での在庫量の増加が目立ち、それぞれ同60.9%増、同257.9%増と他州の在庫量をはるかに上回る状況となった。現地報道によると、ノースダコタ州での原油生産の増加による鉄道輸送の拡大により、軌道車が不足していることから飼料穀物の輸送が停滞しているとしている。一方、鉄道会社は石油輸送に軌道車を多く仕向けていないとし、景気回復による物流量の増加を要因としている。
このような一部の地域でトウモロコシの滞留が起こる中、今後、2014/15年度(9月〜翌8月)のトウモロコシ生産量は、前年度を上回る豊作が見込まれることから、上記2州などではトウモロコシ(特に旧穀)の保管が困難な状況になるとみられる。