欧州委員会は9月29日、ロシアによるEU農畜産物の禁輸措置で被害を受ける野菜・果実生産者に対する1億6500万ユーロ(229億3500万円:1ユーロ=139円)の新たな支援策を発表した。欧州委員会は今年8月18日、野菜・果実生産者に対して1億2500万ユーロ(173億7500万円)の緊急支援を表明したが、予算を上回る申請があったことから9月10日にこれを一旦停止し、内容および予算規模の見直しを行っていた。
新たな支援策では、EU全体の補助対象数量に関し、当初の支援策で申請された数量に加え、過去3年間のロシア向け輸出実績(9月〜12月)が考慮された。また、補助対象を限定するため、EU全体の補助対象数量を4区分し、その範囲内で加盟国ごとに生産者団体別の補助対象数量を決定する仕組みが付け加えられた。さらに、対象となる品目として新たに柑橘類のオレンジ、マンダリン、クレメンタインが加わった。
EU全体の補助対象数量4区分の内訳は、リンゴと洋なし:18万1800トン、柑橘類:9万6090トン、にんじん・きゅうり・ピーマン・トマトといったその他野菜:4万8300トン、キウィ・プラム・食用ぶどうといったその他果実:7万6895トンとなっている。なお、当初の支援策で対象とされたイチゴなどが除外されたほか、キャベツ(白)、カリフラワー、ブロッコリー、マッシュルームについては、加盟国の判断で補助の対象にするとされた。
今回の支援策は、加盟国や欧州議会の事前承認を要しない欧州委員会の権限により成立する委任規則となっている。