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2014年12月のフィードロット飼養頭数、過去最高の96万5000頭(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)は2月16日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で、全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2014年10〜12月期)を公表した。これによると、2014年12月のフィードロット飼養頭数は96万4968頭(前年同期比19.1%増、前回調査比6.3%増)と、これまでの記録(94万97頭:2006年6月)を上回り、過去最高となった。同時に、収容能力に飼養頭数が占める割合を示すフィードロット稼働率も84%と、前回調査(同年9月)時点から4ポイント上昇し、過去の記録を更新した(図1)。
 飼養頭数を州別に見ると、肉牛の最大の産地であるクイーンズランド州では前回調査比で減少したものの、前年同月比では1割増し、その他の州では、前回調査比、前年同月比のいずれも大幅な増加が見られた(表)。
 ALFAは、今期の飼養頭数の増加の要因として、長期に及ぶ干ばつにより、豪州の広い範囲に渡って放牧による肉牛生産が困難な状況になっていることとともに、海外からの堅調な需要が継続すると見越して、フィードロット各社が導入頭数を増やしていることを挙げている。
図1
表

2014年のグレインフェッド牛肉輸出は、米国産の供給減少が後押し

 MLAによると、2014年の穀物肥育(グレインフェッド)牛肉輸出量は23万689トン(前年比10.3%増)と、2年連続の増加となった(図2)。MLAはこの要因として、牛の飼養頭数減少による世界的な牛肉供給力の低下と、豪ドル安による豪州産牛肉の競争力向上を挙げている。
 特に、グレインフェッド牛肉の従来からの市場である日本向けと韓国向けについては、競合相手である米国での牛肉供給減少とそれに伴う価格高騰が後押しして、それぞれ、13万646トン(同12.3%増)、3万9693トン(同5.2%増)となった。
 また、EU向けも1万6483トン(同43.3%増)と、大幅に増加した。EUは、グレインフェッド牛肉を対象とした高級牛肉の無税枠を設けており、豪州は2010年に枠の対象国として承認されたが、2012年にEUが無税枠数量の拡大と割当方法の変更(注)を行って以降、豪州産グレインフェッド牛肉のEU向け輸出量の伸びが加速している。
 一方、2013年に好調であった中国向けおよび中東向けからの引き合いは弱まり、中国向けが1万3443トン(同34.5%減)、中東向けが9087トン(同13.0%減)と、いずれも減少した。

 注:過去の輸入数量実績をベースにした輸入ライセンス制から、先着順方式に輸入割当方法を変更。
図2
【伊藤 久美 平成27年2月19日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4391