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欧州委員会、豚肉の民間在庫補助を発動へ(EU)

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 欧州委員会は2月24日、価格低迷に陥っているEU の豚肉市場の救済策として、民間在庫補助を発動すると発表した。なお、具体的な発動開始日は明示されていないが、現地食肉団体によれば、3月9日の官報告示をもって発動されるとしている。

背景

 同委員会によれば、EUの豚肉市場は2014年2月から続くロシアの禁輸措置と、EU域内の生産増を受け、豚肉価格は深刻な下落が生じている。
 現時点にあっては、わずかながら価格は回復基調に転じているものの、過去5年間の平均価格と比べ20%安であり、この6カ月間は同15%以上の安値が継続している。また、生産者の粗収益は平年と比べ15%以上減少しており、この数カ月間は倒産の危機に瀕する事態となっている。
 欧州委員会のフィル・ホーガン農業・農村開発担当委員は、今回の発表に際し、 「困難な状況に陥っているEU豚肉市場に対し、民間在庫補助の発動が最も効果的な施策であると信じている。この措置は、市場から多量の豚肉を隔離することで市場価格を底支えし、生産者の財務状況の安定と、弱含んでいる市場価格を刺激する効果がある。」と、コメントしている。
最近の価格

豚肉民間在庫補助の概要

(1)根拠法

 規則(EU)No1308/2013

(2)補助の仕組み

(1)発動基準となる価格など
 EUの豚肉格付クラスEおよびクラスRに該当する豚枝肉の価格が1トン当たり1509.39ユーロ(203,768円:1ユーロ=135円)を18週間連続で下回った場合、あるいは養豚業の収益性悪化の要因となる重大な出来事が発生した場合。
(2)補助対象と金額など
・最低対象数量は、骨抜きの場合10トン、その他の場合は15トン
・下表とおり、部位と保管日数に応じ、補助金額が定められる。
補助額一覧

《参考:過去の発動実績》

 豚肉の民間在庫補助は、直近では2011年2月1日から22日までの発動実績がある。同年1月に、ドイツで豚用飼料へのダイオキシン混入問題よる豚肉価格の下落に対処するために発動され、EU全体で14万トン強の在庫が市場から隔離された。
価格の推移
【宅間 淳 平成27年2月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 国際調査グループ (担当:宅間 淳)
Tel:03-3583-9531