2014年の牛飼養頭数は516万頭、牛肉生産量は29万7400トン(ベトナム)
ベトナム中央統計局(GSO)によると、ベトナムの2014年の牛飼養頭数は516万頭(前年比0.1%増)と前年並みとなった一方、牛肉生産量(生体重ベース)は29万7400トン(同4.2%増)となった(図)。ベトナムでは一昨年より豪州からの生体牛(輸入後すぐにと畜される)輸入が増加しており、これが牛肉生産量の増加につながったと見られる。
ベトナム政府は、2020年に牛を560万頭(2014年比8.5%増)、牛肉を31万9000トン(同7.3%増)まで増産することを目標に掲げている。このため、ベトナム農業農村開発省(MARD)は、在来牛と外国種との交雑種が牛飼養頭数全体に占める割合を、現在の40%程度から2020年は70%まで高めるとし、農家に対して優良品種の精液の配布を進めている。なお、ベトナム畜産協会は、在来種と外国種(アンガス種やドロートマスター種)との交雑種であれば、出荷体重330キログラム(注)以上は達成できるとしている。
(注)在来牛の出荷体重は200〜250キログラム
飼料協会、コメ農家に対し肉用牛肥育経営への転換を提案
ベトナム飼料協会は、近年、価格競争力の面でコメ輸出が伸び悩んでいることや、昨年の生体牛輸入が20万頭に達したことに言及し、政府に対して、コメ農家を肉用牛肥育経営に転換させるべきであると提言している。これは、コメの不適作地を肉用牛飼料生産のための草地へ転換することを奨励するものであり、同協会は、ベトナムで本格的な肥育が行われれば、農家の収益性向上が見込まれるとコメントしている。
また、同協会は、国内には現在4万5000ヘクタールの草地が存在するが、この面積で飼養できる肉用牛は4万5000頭程度であるとしており、草地面積の拡大の必要性をかねてから訴えている。
【木下 瞬 平成27年2月27日発】
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