米国農務省動植物検疫局(USDA/APHIS)は3月26日、ワイオミング州の野生のカナダガンでH5N2亜型高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が確認されたことを公表した。米国を縦断する渡り鳥の複数の経路のうち中央飛来路で同型のHPAIが発生するのは、初めてである。今回は、野鳥での発生だったが、今後、同州および同飛来路での拡散が懸念される。
また、3月27日、28日に、ミネソタ州の七面鳥農家2件で同型のHPAIの発生が確認され、同州での発生は3件となった。州政府は、当該農場を隔離しており、疾病の拡散を防ぐため、農場内の七面鳥は殺処分される予定であり、食品として流通しない。なお、28日に発生した農場が位置するStearns地域は、ミネソタ州の中でも有数の家きんおよび鶏卵の生産の盛んな地域であり、供給量への影響が懸念される。
米国では、3月以降、ミネソタ州(3月6日)、ミズーリ州(3月10日)、アーカンソー州(3月11日)、カンザス州(3月13日)で同型のHPAIが相次いで発生しており、次第に発生が拡大している。なお、疾病対策センター(CDC)は、野鳥や養鶏場で発生する高病原性鳥インフルエンザのH5系統が人に感染するリスクは小さいとみている。