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トウモロコシや大豆などの作付意向調査の結果を公表(米国)

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米国農務省(USDA)は3月31日、2015年度の穀物などの作付意向調査の結果を公表した。これによると、トウモロコシの作付面積は、前年比1.5%減の8920万エーカー(3613万ヘクタール)となり、2011年以降最低となる見込みである。州別に見ると、過去2年連続の豊作によりトウモロコシ価格が下落し、生産者の収益性が低下したことから、主要生産州であるアイオワ州、イリノイ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州などで前年を下回るとしている。
 また、大豆の作付面積は、前年比1.1%増の8464万エーカー(3428万ヘクタール)となる見込みである。トウモロコシや小麦などの他作物の作付けが減少する一方、それらに比べて収益性が高い大豆への転作が進んだものとみられるが、大豆とトウモロコシは、ほとんどが同一の農家が輪作しており、今回の増減は通常の輪作の範囲内であるといえる。
 USDAは2015年2月のアウトルックフォーラムで、大豆の作付面積は前年を下回るとの見込みを示していたが、今回の調査結果では前年を上回るとした。
海外情報図1(作付面積)

トウモロコシ在庫の高水準により、先物価格は急落

 USDAは同日、3月1日現在の穀物の在庫量を公表した。これによると、トウモロコシの在庫量は2014年度の記録的な豊作により、前年比10.5%増の77億4500万ブッシェル(1億9673万トン)と前年水準を上回った。作付面積見込みおよび在庫量が市場関係者の見込みを上回ったため、3月31日のトウモロコシ先物価格(シカゴ、5月限)は前日比18.25セント安の376.25セント(456円:1米ドル=121.17円)と急落した。
 また、大豆の在庫量も前年度の大豆が記録的な豊作であったことから、同34.2%増の13億3400万ブッシェル(3630万トン)と大幅に増加した。農家が保有する在庫量は同59.5%増となっており、大豆価格が安値で推移したことで、農家が売り渋っている状況が伺える。なお、3月31日の大豆先物価格(シカゴ、5月限)は、大豆の在庫量が市場関係者の見込みを下回ったことで買いが入り、前日比5.5セント高の973.25セント(1179円)となった。
海外情報図2(作付面積)
【渡邊 陽介 平成27年4月2日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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