カナダ食品検査庁(CFIA)は、4月6日、オンタリオ州南部のウッドストック市近郊の七面鳥農場で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が確認され、同8日にH5N2亜型であることが判明したことを公表した。カナダでは、2014年11月にブリティッシュ・コロンビア州の七面鳥農家および種鶏農家でHPAIの発生が確認されていたが、オンタリオ州での発生は初のケースとなる。鳥インフルエンザは、伝染性が非常に強いため、近隣の農場への伝搬の可能性がある。このため、CFIAは、養鶏農家に対して、疑わしい症状を発見した場合には、遅滞なく同庁へ報告するよう呼びかけている。現在、近隣の7農場が管理下に置かれており、CFIAは検査結果をできるだけ早く公表することとしている。
2014年の同州の鶏肉生産量は35万トン(全国シェア32.9%)、七面鳥生産量は7万2000トン(同42.9%)とどちらも全国で最も多く、家きん肉生産の盛んな地域であり、供給への影響が懸念される。
なお、日本は、今回の発生を受けて、4月7日、同州からの生きた家きんおよび家きん肉等の輸入停止措置を講じている。
また、HPAIの発生が拡大している米国では、今年に入って、七面鳥の主産地であるミネソタ州だけでも9農場で発生が確認され、特に七面鳥肉生産への影響が懸念されている。直近で4月8日となる、ミネソタ州での発生例は、いずれも商業規模の農場であり、野鳥から直接伝播したとは考えにくいことから、米国農務省(USDA)は、現地に疫学専門家のチームを派遣し、伝播経路の解明に着手した。