中国政府は4月8日、EUが導入している家禽肉輸入関税割当措置について、世界貿易機関(WTO)に対し、紛争解決手続きに基づいてEUと協議することを申し入れた。
中国商務部によると、今回、中国側が問題としている措置は、EUが2012年にブラジルおよびタイと、生鮮鶏肉や鶏肉調製品など7品目の家禽肉製品に対して低関税の輸入割当に関する取り決めを交わし、2013年3月から施行していることにあるとしている。2015年は、この輸入割当の96%がブラジルとタイに割当てられ、これら以外の中国など他国に対しては、残りの4%しか割り当てられていない(注)。
また、同部はこの措置が「関税および貿易に関する一般協定(GATT)」違反に当たると反発しており、EUの家禽肉輸入量の25%以上を中国産が占める中、この輸入割当量では、競争力を発揮できないため、業界は強い不満を持っているとしている。
なお、WTOによると、今回の中国側のWTOへの要請は、同国が2001年に加盟して以降、13回目に当たるとし、このうちEUに対する案件は4回目としている。
(注)2015年の家禽肉および家禽肉調製品の割当量は、ブラジルが437,816トン、タイが288,553トン、それ以外の国が31,970トンとなっている。なお、中国の割当量については、2013年の同国での鳥インフルエンザの発生を契機に低く設定されている。