米国農務省全国農業統計局(USDA /NASS)が4月22日に発表した「Cold Storage」によると、2015年3月末の畜産物の在庫量は、いずれも前年同月比増となった。内訳を見ると牛肉は同18%増の21万8000トン、豚肉は同16%増の30万3000トン、鶏肉は同27%増の34万1000トンであった。
牛肉は豪州やニュージーランドなどからの輸入在庫量の増加、豚肉は生産回復に伴う加工用途向け部位の増加、鶏肉は全米で広がりを見せる鳥インフルエンザ(AI)により輸出向け割合が高いレッグクォーターの増加が主な要因とみられている。一方で、牛肉や豚肉の在庫量は前月比減であることから、米国西海岸港湾における労使交渉難航に伴う物流混乱の影響により、輸出在庫が積み上がっていたとの見方もある。
また、すべてに共通するものとして、主要通貨に対して米ドル高で推移する為替相場の影響も挙げられる。今年に入り米国の畜産物輸入量は前年に比べ増加する一方、輸出量は減少傾向にある。
乳製品の在庫量を見ると、バターは前年同月比4%減の8万4000トン、チーズは同4%増の48万2000トンであった。同年3月のバターの生産量が前年同月比で減少する一方、チーズの生産量が増加したため、その生産傾向が反映される結果となった。
鶏卵の在庫量についても、前年同月比10%増の1万5000トンとなり、生産の増加傾向が続いていることが反映されたものとみられている。