NZ最大手乳業フォンテラ、今年度の生産者乳価引き下げと新年度の生産者乳価を発表
今年度5度目の生産者乳価引き下げ
ニュージーランド(NZ)最大手の酪農協系乳業メーカーであるフォンテラは5月28日、2014/15年度(6月〜翌5月)の生産者乳価の支払見込みについて、乳固形分1キログラム当たり4.5NZドル(410円:1NZドル=91円)から4.4NZドル(400円)に引き下げることを発表した(図1)。4月に続いて2ヶ月連続、今年度5度目の引き下げとなる。
今回の引き下げについて、同社は「乳製品の国際価格が見込まれたほど上昇していないこと」を理由とし、「1年から1年半前の乳製品価格の上昇に合わせて、主要な輸出国を中心に増産が進んだことが、現在の国際的な供給過剰につながっている。」と言及している(図2)。また、「今シーズンは非常に厳しい状況であるが、酪農家には常に必要な情報を知らせていきたい。」として、酪農家の理解を求めている。
新年度の乳価、現在の乳価をわずかに上回る水準
フォンテラは合わせて、新年度2015/16年度の生産者乳価の支払見込みについて、現在の生産者乳価をわずかに上回る同5.25NZドル(478円)と発表した。新年度当初の生産者乳価見込みとしては、今年度を2NZドル近く下回っている。
同社は今年度の乳価決定について、「国際的な乳製品需要は堅調であり、長期的には乳製品の国際価格は回復し、乳製品の需給バランスは持ち直すとの見込みに基づくものである。」としている。さらに、「フォンテラとしては、酪農家の収益の改善と協同組合たる事業運営に最も焦点を当てている。」として、新年度の市場環境および乳価の回復見込みを強調することで、酪農家の安心感の醸成に努めている。
【根本 悠 平成27年5月28日発】
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