米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は5月28日、2015年4月および2015年(予測)の食品の消費者物価指数(CPI)を公表した。これによると、2015年4月の食品全体のCPIは、前年同月比2.0%の上昇となった。
同月のCPIを品目別に見ると、牛肉(前年同月比10.2%高)の上昇が目立っている。この要因についてUSDAは、牛飼養頭数の減少に加え、飼養環境の改善により未経産牛を中心に保留が進んでいることで、と畜頭数が減少していることを挙げている。また、鶏肉は、鳥インフルエンザ発生の影響で、複数の国から輸入禁止措置を講じられているものの、好調な需要に支えられ、同3.1%の上昇となった。
一方、豚肉は、2014年が豚流行性下痢(PED)による供給への不安感や牛肉の高値に引きずられる形で前年比9.1%高となっていたが、高値による生産者の増産意欲の高まりや、米ドル高による輸出量の減少により、需給が緩和したことから同3.7%安となった。
また、2015年の牛肉のCPIは、前月に公表された予測値から引き上げられ、前年比5.5%〜6.5%の上昇が見込まれている。一方、豚肉のCPIは、前月の予測値から引き下げられ、同1.0%の下落または前年並が見込まれている。