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豪州の穀物生産、ソルガム、大麦は増加する一方、小麦は減少の見通し

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は6月10日、最新の穀物生産見通しを発表した。

夏作物の2014/15年度の生産見込み、ソルガムは大幅に増加

 ABARESは、夏作物(10月〜翌1月にかけては種、3〜4月にかけて収穫)について、2014/15年度(7月〜翌6月)の生産見込みを発表した(表1)。
 これによると、2014/15年度の夏作物全体の生産量は、375万3000トン(前年度比3.6%減)と、綿実や米の生産量の減少を反映し、前年をやや下回っている。しかしながら、夏作物生産量全体の4割以上を占めるソルガムの生産量は、178万8000トン(同39.5%増)と、大幅に増加している。これは、主要生産州であるクイーンズランド州における、綿実からの代替などによる作付面積の増加や、気象条件の改善に伴う収量の回復が影響している。
表1

冬作物の2015/16年度の生産予測、小麦は減少する一方、大麦は増加

 ABARESは、冬作物(3〜6月にかけては種、10月〜翌2月にかけて収穫)について、2015/16年度の生産予測を発表した(表2)。
 これによると、2015/16年度の冬作物全体の生産量は、3867万8000トン(同0.9%増)と、大麦を中心とした作付面積の増加や、秋季(3〜4月)に多くの穀物生産地域で平年以上の降雨が見られたことから、前年をわずかに上回るとしている。このうち、冬作物生産量全体の約6割を占める小麦の生産量は、2359万8000トン(同0.3%減)とわずかながら前年を下回るとしている。これは、最大の生産州である西オーストラリア(WA)州において、作付面積の増加や、秋季の平年以上の降雨により、生産量の増加が見込まれるものの、WA州に次ぐ生産州であるニューサウスウェールズ州において、今後、降雨の減少に伴う生産量の減少が見込まれているためとしている。
 一方、大麦の生産量は、824万9000トン(同2.9%増)と前年度をわずかに上回るとしている。これは、小麦と同じく主要生産州であるWA州における生産環境の改善に加え、中国からの強い需要に伴う作付面積の増加が背景にあるとしている。
表2
【根本 悠 平成27年6月23日発】
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