現地報道によると、ニュージーランド(NZ)政府は、6月17日に締結された中国と豪州の自由貿易協定(FTA)を受け、中国と既に締結しているFTAを改定し、乳製品に適用されているセーフガード(SG)措置を撤廃するよう求めている。
中豪FTAにおいて、SG措置の適用範囲は粉乳類のみであるのに対し、中NZFTAでは、粉乳類のほかミルクやクリーム、バター、チーズも適用されている。中NZFTAにおいては、当該乳製品の輸入量が、SG発動水準を超えた場合、協定税率から最恵国税率に切り替えられる仕組みであるが、協定税率は毎年段階的に削減される一方で、SG発動基準となる協定税率割当数量は毎年、拡大することとなっている(表)。
中NZFTAにおけるNZ産乳製品の輸入申告数量は、2015年1月29日時点で全ての品目がSG発動水準に達したため、これ以降、申告されたものについては割高な最恵国税率が適用されている。近年、中国の乳製品需要の高まりにより、NZ産乳製品の輸入も増加しており、SGの発動時期も年々早まっている。NZ側は、こうした措置に反発していると見られる。