NZ最大手乳業メーカーフォンテラ、オランダの乳業工場完成を発表
フォンテラ、オランダの新工場完成を発表
7月9日、ニュージーランド(NZ)最大手乳業メーカーフォンテラは、オランダのヘーレンフェーン(Heerenveen)における乳業工場の完成を正式に発表した。本工場は、フォンテラとオランダのチーズを中心とした食品製造企業「A-ware」との合弁事業によるものであり、隣接するA-wareのチーズ工場の副産物を利用し、ホエイタンパクと乳糖を製造する。
フォンテラのスピアリングスCEOは「この工場は、フォンテラの“グローバル・ミルク・プール戦略”(後述)にとって不可欠であり、A-wareの事業にも適合した双方に利益のあるものである。フォンテラはホエイタンパクの製造において優れたノウハウを有している。欧州の大量かつ高品質の乳原料を利用し、世界中のユーザーのために事業を進めていきたい。」としている。フォンテラによると、本工場で製造された高品質のホエイや乳糖は、小児や妊婦向けの栄養食品やスポーツ関連のサプリメントなどに利用されるとしており、これらは主にアジアや欧州で消費されるとみられている。
進むフォンテラの“グローバル・ミルク・プール戦略”
フォンテラは、世界各地に生乳の供給源をつくる“グローバル・ミルク・プール戦略”を掲げている。NZのほか、豪州やチリでは契約酪農家から生乳を調達し、中国では自ら酪農場を建設している。そして今回、オランダでは、チーズ生産の副産物の利用という形で“ミルク”の調達に成功している。また、欧州ではオランダのみではなく、英国の乳業メーカー「デーリー・クレスト(Dairy Crest)」との業務提携において、デーリー・クレストが製造する「ガラクトオリゴ糖」と「脱塩ホエイパウダー」(ともに育児用粉ミルクの原料)を独占的に販売する権利を獲得している。
2014年現在、フォンテラは世界各地で2100万キロリットルの生乳(相当量)を調達しているが、2025年にはこれを3000万キロリットルまで拡大することを目標にしている。
【根本 悠 平成27年7月15日発】
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