フランスのオランド大統領は7月22日、豚肉、牛肉および生乳の価格の低迷により経営難に陥っている国内の畜産生産者に対し、総額6億ユーロ(822億円:1ユーロ=137円)の緊急支援対策を実施すると発表した。
緊急支援対策は、税額控除、納税の猶予、公共投資銀行からの融資保証など生産者のキャッシュフロー改善を狙ったものとなる。
畜産生産者は、全国各地でトラクターなどで主要道路や線路を封鎖するなど激しい抗議を行ってきた。これは、畜産物価格の低迷に加えて、加工業者や巨大小売企業が生産コストに見合う価格で取引が行われていないことに対する抗議でもあった。
今回の緊急支援対策の発表とともに、ル・フォル農業・食品産業・森林大臣は、加工業者などに対し、生産者に対して適正な価格で取引を行うよう指示を出した。
欧州委員会の経済金融問題・税制・関税担当のピエール・モスコビシ委員(フランス)は、欧州委員会はフランスの生産者が直面している苦しい財務状態は理解するとし、今後もこのことについて注視するとともに、食品の流通において農業生産者が不利な立場とならないよう規則の整備を検討するとしている。