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USTR高官 TPPでの砂糖政策堅持を明言

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最終更新日:2015年8月7日

 米国通商代表部(USTR)のブーマー副代表は、8月4日、米国砂糖連盟(ASA)主催のシンポジウムで、生産者や製糖企業など400名の参加者を前に、「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉に当たり、フロマンUSTR代表、ビルサック農務長官など交渉担当者は、米国の砂糖政策を弱体化するような、他国からの節度のない米国市場へのアクセス要求に対し、決して合意しない方針で結束している」と繰り返し発言した。

 また、「TPP交渉で農産品市場アクセスに関する主な課題として残るのは乳製品と砂糖であり、砂糖に関しては、交渉次第で、豪州とカナダに対してどれだけ米国市場へのアクセスを認めるかが決まる」と述べた。

 一方で、豪州のジョイス農相は、8月2日のインタビューで「TPP交渉の中で米国側から年間15万2000トンのアクセス提案を受けたが、これは満足できるものではない」と発言している。豪州政府は、年間1000万トンに上る砂糖消費量に対し国内生産量が700万トンと、300万トンの需給ギャップがある米国市場へは、同国の砂糖政策を害することなく、アクセスをさらに拡大する余地はあるという考えの下、砂糖のアクセス拡大をTPP交渉における最大の課題の一つとしている。豪州の砂糖業界は、「先のハワイの閣僚会議での合意失敗により、米国側に豪州産砂糖の市場アクセスを75万トン程度まで拡大要求する時間が増えた」と述べている。

 フロマンUSTR代表は、豪州産砂糖の市場アクセスについて「意義のある(meaningful)」レベルを検討しているとの報道もあり、米国砂糖市場の開放レベルについては、今後の交渉の行方が注目される。
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【丸吉 裕子 平成27年8月7日発】
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