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脱脂粉乳の公的買い入れ、ドイツも実施(EU)

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 欧州委員会が8月26日に公表した統計によると、新たにドイツで264トンの脱脂粉乳の公的買い入れが実施されたことが明らかになった。また、ベルギーとポーランドでは、5週連続となる買い入れが実施され、ベルギーの買い入れ数量は1581トンと、週単位では過去最大となった。
 これで脱脂粉乳の公的買い入れの実施国は、ベルギー、リトアニア、ポーランド、英国、ドイツの5カ国となり、公的在庫量の合計は8859トンまで積み上がっている(国別内訳は下記表1の通り)。
 EUの脱脂粉乳平均価格は、公的買入価格である100キログラム当たり169.80ユーロ(2万3432円:1ユーロ=138円)をわずかに上回って推移しているが、ドイツの脱脂粉乳平均価格は公的買入価格を下回り、同167ユーロ(2万3046円)となっていた。
 また、昨年のロシアによる禁輸措置を受けて発動された民間在庫補助では、2015年6月末時点で6カ国合計1万7632トンの脱脂粉乳が対象となっており、実施国は、チェコ、ドイツ、アイルランド、スペイン、リトアニア、オランダとなっている(国別内訳は下記表2の通り)。

 EUの公的買い入れは、各加盟国の脱脂粉乳卸売価格が公的買入価格を下回った場合、当該国の機関が脱脂粉乳の製造業者または取扱業者の申請に基づき同価格にて買い入れるもので、EU全体で毎年10万9千トンが上限とされている。通常、毎年3月1日から9月30日の間の措置であるが、既に2016年2月29日まで延長されている。
 また、EUの民間在庫補助は、各加盟国の民間企業が保管する乳製品の保管費用の一部を補助する制度で、2014年9月から脱脂粉乳を対象に発動されているが、価格の低迷が続いていることから3度にわたって期間が延長されており、公的買い入れの期限と同じ2016年2月29日までとされている。
表1
表2
【大内田 一弘 平成27年8月28日発】
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