2015年の農業所得は大きく落ち込む見通し(米国)
米国農務省(USDA)は8月25日、2015年の農業所得見通しを発表した。これによれば、2015年(予測値)の純農業現金所得は前年比20.8%減の1003億米ドル(12兆2400億円)、純農業所得は前年比36.0%減の583億米ドル(7兆1100億円)と見込んでいる(図1)。
※各指標のイメージ
・純農業現金所得(Net Cash Income):キャッシュフロー分析指標。現金ベースで収入から支出を控除して計上する。農家は自身の経理状況に照らし合わせて農作物の販売や設備更新の数量および時期を決定するため、純農業所得に比べ、変動しにくいとされる。
・純農業所得(Net Farm Income):一国の経済に占める農業分の生産額についてマクロ経済的に計上した評価指標。発生主義会計のため、在庫などの純農業現金所得には計上されない費用も反映している。
減少の主な要因は、穀物や油糧種子、畜産物の販売収入が、価格の低迷からトウモロコシが前年比13.1%減、豚が同27.1%減、牛乳・乳製品が同29.0%減と落ち込むと予測されていることである(図2)。
農業所得の減少により、農家が機械施設の導入、更新を延期するなど、農村地域の経済に悪影響が出る可能性が懸念されている。
【平石 康久 平成27年9月2日発】
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