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光明食品集団傘下企業、NZ最大手の食肉事業者に50%出資(中国)

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 毎日経済新聞(中国)などによると、9月15日、光明食品集団(以下「光明」という)が傘下の上海梅林正広和(以下「上海梅林」という)を通じて、ニュージーランド(以下「NZ」という)最大手の食肉事業者であるシルバーファーンファームズ(Silver Fern Farms、以下「SFF」という)に対し、SFFの発行済み株式の50%を3億1100万NZドル(1NZドル=78円、242億5800万円)で取得する提案を行い、SFF側も了承したと報じた。このM&A(企業の合併と買収)については現在、NZ海外投資庁、SFFの出資組合員、上海市国有資産監督管理委員会の承認を待っているところである。

M&Aの効果

 中国は、2008年にNZとFTA(自由貿易協定)を締結しており、NZ産牛肉の輸入量は増加している(表)。NZ産牛肉に対する関税は、本年は1.3%(冷凍、冷蔵牛肉)まで削減されており、翌2016年には撤廃されることから、今後NZ産牛肉に対する需要が強まると見込まれている。今回のM&Aにより上海梅林は、NZ産牛肉の調達ルートを確保するとともに、光明は、世界的な食料調達ネットワークの構築に向けて一歩前進することとなる。
表

高まる中国の牛肉需要

 今回のM&Aの背景には、所得の向上により高まり続ける中国の牛肉需要がある。本年4月に公表された「中国農業発展報告(2015−2024)」によると、牛肉消費量は伸び続け、2024年には877万トンと、国内生産量を大きく上回るとみられている(図)。
図
中国は、BSE(牛海綿状脳症)の発生により禁止していたブラジルからの牛肉輸入を本年6月4日より再開したことや、同月に豪州とのFTAに調印するなど、主要な牛肉生産国からの調達ルートの構築を行っている。


参考1:光明食品集団について
 2006年に、上海市砂糖・煙草・酒集団、上海梅林正広和、光明乳業、農工商集団、上海錦江食品を統合して設立。上海市政府100%出資の企業で、農水産物の生産から加工、さらに小売業まで手掛ける。本社は上海市。

参考2:Silver Fern Farmsについて
 1948年設立の畜産農協で、同社には1万6000の畜産生産者(牛、羊)が組合員として出資している。本社は南島ダニーデン。
【伊澤 昌栄 平成27年9月16日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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