中国のトウモロコシ生産量見込み、干ばつにより下方修正
中国国家糧油信息中心(中国糧油情報センター:CNGOIC)は、2015年5月時点で2億3200万トンと予測していた2015/16年度(注)のトウモロコシ生産量予測を、8月末時点で300万トン減の2億2900万トンに下方修正した。これは、主産地である東北部で干ばつに見舞われ、不作傾向となっていることによる。しかし、下方修正後も2015/16年度の生産量は、栽培面積の増加により、前年を6.2%上回ることが見込まれている(表)。
注:2015年10月〜2016年9月。
下落するトウモロコシ価格により国産需要は増加
中国農業部の中国農業信息網による2015年9月の情報によると、トウモロコシの在庫量は1億1000万トンとされている。こうした中、農業部畜産局が公表している国産トウモロコシ価格は、2014年9月に1トン当たり2698元(1元19円、5万1262円)であったが、在庫量の増加により、2015年9月には288元(5472円)安の同2410元(4万5790円)と下落傾向にある(図)。このため、実需者による海外産トウモロコシの輸入は減少し、2014/15年度に1億7000万トンを下回った国産トウモロコシ需要は、2015/16年度には、国産価格の下落により1億7950万トンになると見込まれている。
国産トウモロコシの需要増加により代替え品は減少
CNGOICによると、国産トウモロコシの需要が価格の下落により増加すると見込まれていることから、これまで国産トウモロコシの代替え品となってきた品目の輸入量が減少すると予想されている。2015/16年度の品目別見通しを見ると、こうりゃんが、前年度より1000万トン減の700万トン、大麦が同900万トン減の650万トンと見込まれている。
【伊澤 昌栄 平成27年9月18日発】
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