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2015/16年度主要穀物の生産状況等調査結果(第1回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月9日、2015/16年度(10月〜翌9月)第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を発表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月発表するものである。
 これによると、2015/16年度の主要穀物の作付面積は、夏期作物と冬期作物の合計で5816万〜5902万ヘクタール(前年度比0.1〜1.5%増)と見込まれている。
 このうち、第1期作トウモロコシの作付面積は、前年度に引き続き大豆への転換が進むことから減少予測となっている。 
 一方、大豆の作付面積は増加が予測されており、生産量は1億トンを超え過去最高が見込まれている。
表1

トウモロコシ生産量、前年からの減産見込み

 2015/16年度の第1期作トウモロコシ生産は、主要生産国での豊作により国際相場が低価格で推移する中、引き続き大豆に比べて収益性が低いと見込まれることから、減産が予測されている。また、ブラジルは、肥料の多くを輸入しており、ドル高レアル安で推移する現在の為替相場により肥料代が上昇しているため、相対的に肥料投入量が少ないとされる大豆増産の流れが引き続き続くと見込まれている。
 第1期作トウモロコシは、例年、8月頃から南部より順次作付けされ、翌4月頃までに大体の収穫を終える。
 今回の報告では、2015/16年度の第1期作トウモロコシの生産量は前年度比8.9〜5.8%減と見込まれている。主要生産州で作付面積が軒並み減少すると予測しており、特に南部の穀倉地帯で顕著な減少が見込まれている。こうした中、南部では降雨による水分過多の懸念が高まる一方、中西部や南東部では乾燥傾向にある。
 第2期作トウモロコシは、主に中西部と南部パラナ州で1〜3月にかけて作付けが行われ、5〜8月にかけて収穫が行われる。今回の報告では、未だ具体的な作付面積の予測は行われておらず、前年度並みに仮置きされている。今後、春植えの夏期作物(大豆、トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々に見通しが判明していく。
図1
表2
 また、CONABは、新興農業開発地域である北東部を中心としたマトピバ地域の2015/16年度のトウモロコシ生産量を、前年度比9.0〜5.7%減と見込んでいる。マトピバ地域では土壌改良が進み優良農地が拡大する中、近年、大豆の生産が拡大する一方、トウモロコシの生産は、相対的に減少傾向となっている。
表3

大豆生産量、過去最高の1億トン超えの見込み

 2015/16年度の大豆生産量は、前年度比4.0〜5.9%増の1億トン超となり過去最高を更新する見込みである。この要因として、大豆の国際価格は下落傾向にあるものの、生産コストが低く、他の作物よりも収益性が高いことに加え、生育不良リスクが低いことが挙げられる。
 例年、大豆の作付けは9月頃から順次開始され、12月までにほぼ終了する。2015/16年度は、主要生産州のマットグロッソ州で、降雨不足によりかんがい地域以外の作付けが遅れ気味であるものの、ほぼ全ての州で作付面積が前年度を上回る予測となっている。
 主要生産州の単収は、南部のリオグランデドスル州(国内第3位の大豆生産州)が多雨の影響で減少が見込まれるものの、それ以外の州では現在のところ、良好とされている。
図2
表4
 なお、CONABは、これまで大幅な伸びを記録してきたマトピバ地域の2015/16年度の大豆生産量を、作付面積の拡大と単収増により大幅な増加と見込んでいる。
表5
【米元 健太 平成27年10月22日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4391