ブラジル連邦警察によると、独立系トラック運転手は現地時間11月9日から、国内3州26カ所の道路を封鎖(完全封鎖4カ所、部分封鎖22カ所)するなどの、ストライキを開始した。
今回のストライキの背景には、以前から求めている軽油税の引き下げに政府が応じてないことが挙げられ、現地報道では、ジルマ・ルセーフ大統領の弾劾を求めているとされている。
ブラジルでは2015年2月、軽油税および高速自動車道の通行料金引き下げなどを求めて、複数のトラック労働者組合が主要穀物生産地域と輸出港を結ぶ幹線道路を封鎖するなどのストライキを行った。このため、トウモロコシや大豆および食肉の輸出に大きな影響が生じていた。
なお、現時点での道路封鎖はパラナ州、サンタカタリーナ州の幹線道路およびミナスジェライス州のコーヒー生産地帯で起きているとみられるが、抗議活動自体は国内11州で発生しており、今後、封鎖行為が他州に拡大する動きも出ている。このため、物流の多くをトラック輸送に頼っていることで、南部が主産地となる鶏肉・豚肉輸出などへの影響が懸念されている。
こうしたことを受け、大統領報道官は、「政府は交渉に応じる用意があるものの、今回の要求は大統領の弾劾を求めるもので失脚を目的としている」と述べ、対応策に苦慮している。