ブラジル農務省(MAPA)は11月9日、同日に行われた同国カチア・アブレウ農牧食料供給大臣とサウジアラビア政府との会談後、「サウジアラビアは、3年続いたブラジル産牛肉の輸入停止を解除する見込みである」と発表した。サウジアラビアは、2012年12月7日にブラジルで非定型BSEが確認されたことを受け、即時にブラジル産牛肉の輸入を停止していた(過去の輸入実績は下表の通り)。
MAPAの推計によれば、サウジアラビア向け牛肉の輸出が再開すれば、牛肉輸出量は年間5万トン、輸出額は1億7千万ドルに達する見込みとしている。
サウジアラビア政府との会談後、同国の首都リヤドで会見した同農相は、サウジアラビアへの輸出再開により、他の中東諸国(バーレーン、カタール、クウェートなど)へのブラジル産牛肉の輸出も開かれるとの見通しを述べた。併せて、次の目標について、サウジアラビアと同様に2012年12月8日以降、輸入停止措置を講じている日本市場(※日本は加熱処理牛肉に限って輸入していた)になると言及した。
なお、2014年のサウジアラビアの牛肉輸入量は約10万トン、輸入額は3億5500万ドルに達しており、市場規模の成長も見込まれることから、今後、ブラジル産牛肉にとって重要な輸出市場になるとみられる。
輸出再開に向けたスケジュールは未定であるが、レアル安を背景に輸出競争力が高まっているブラジル牛肉業界にとっては、今年6月に再開した中国向け、そして来年初旬の輸出開始が見込まれる米国向けに続き、追い風となっている。