中国の大手育児用調製粉乳メーカーの貝因美(かいいんび)は2015年10月13日、ニュージーランド最大手乳業のフォンテラと、フォンテラが中国で展開する育児用調製粉乳ブランド「アンマム(安満:Anmum)」の独占販売契約を締結した。これにより、同社は、自社製品に加え、フォンテラ製品の販売を手がけることになった。
なお、同年3月20日にフォンテラは同社発行株式の18.8%を取得し、資本関係を結んでいる。
同社は、2008年に発生したメラミン混入事件(注)以降、国産乳製品に対する不信感から販売不振にあり、製造コストの上昇も加わり、収益性が低下していた。同社の育児用調製粉乳は、主に中所得層以下の市場向けとされるが、今回のアンマム製品の取り扱いにより、今まで手薄であった中所得層以上の市場向けのラインナップを増やすことができるため、収益性の向上が期待されている。
(注):2008年9月、三鹿製の育粉を摂取した乳幼児に泌尿器系疾患が多発し、原料乳にメラミン(毒性のある有機化合物)が混入されていたことが発覚した事件。死者は6人、影響は約30万人に及んだとされる。
一方、フォンテラは、2009年にアンマムブランドで中国市場に参入した。しかし、後発のために知名度が低く、販路開拓も進まなかったため、消費者の輸入品志向の波に乗ることができず、販売不振となっていた。今回の契約により、貝因美の持つ販路を活用し、アンマムブランドの知名度を上げ、より多くの消費者を取り込みたいとしている。