NZの生乳生産量、10年前の1.5倍に
ニュージーランド(NZ)の酪農団体であるDairy NZは11月17日、NZ家畜改良公社(LIC)と共同で実施している、NZの酪農に関する統計調査結果「New Zealand Dairy Statistics」の2014/15年度(6月〜翌5月)版を公表した(表1)。
これによると、2014/15年度の酪農家戸数は1万1970戸(前年度比0.4%増)、酪農場面積は174万6000ヘクタール(同1.7%増)、経産牛飼養頭数については500万頭を上回って過去最高の501万8333頭(同1.9%増)となるなど、いずれも前年度を上回った。また、10年前の2004/05年度と比較すると、酪農家戸数こそ2.5%減となったものの、酪農場面積と経産牛飼養頭数については、ともに20%以上の増加がみられた。
2014/15年度の生乳生産量については、2125万3000キロリットル(前年度比2.9%増)と、前年度をわずかに上回った。この背景には、2013/14年度前半に国際乳製品価格が上昇したことに伴い、同年度の生産者支払乳価が上昇したことを受け、多くの酪農家が、飼養頭数の増加や補助飼料の積極的な給与を行うなど、意欲的に生乳の増産を図ったことがあるとみられている。この結果、2014/15年度の生乳生産量を10年前と比較すると、1.5倍に増加している。
生乳生産量を島別に見ると、北島は1252万1900キロリットル(前年度比3.6%増)、南島は873万800キロリットル(同1.9%増)となっており、干ばつの影響を受けた南島に比べ、北島の生乳生産量の増加率が高くなっている。
また、1頭当たり乳量と1戸当たり経産牛飼養頭数について、いずれも10年前より増加しているものの、増加率は1戸当たり経産牛飼養頭数が1頭当たり乳量の2倍となっている(表2)。
なお、NZの1頭当たり乳量は日本の約半分、1戸当たり経産牛飼養頭数は都府県の約12倍、北海道の約6倍に相当する。
【竹谷 亮佑 平成27年11月25日発】
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