現地報道によると、2015年1〜9月期の決算で、大手国産育児用調製粉乳メーカーはいずれも減収となった。このうち、国内資本最大手の貝因美(かいいんび)は、前年同期比14.0%減の24億800万元(457億5200万円:1元=19円)、同第2位の合生元(ごうせいげん)は、同23.2%減の26億4400万元(502億3600万円)となった。両社が減収となった要因として、消費者の国産品に対する不信感から量販店での輸入品の売り上げが増加したこととともに、インターネット通販により、多くの消費者が輸入品を安価に購入できるようになったことが挙げられる。
インターネット通販で安価な輸入品が出回る背景には、海外通販サイトの代理購入などにより、並行輸入品が多く取り扱われていることがある。海外通販による育児用調製粉乳の輸入額は、2015年1〜9月の累計で100億元(1900億円)に達したとされており、業界関係者などによると、2015年の累計では150億元(2850億円)程度になると予想されている。
2014年の中国の育児用調製粉乳市場は約700億元(1兆3300億円)の規模とされ、このうち国産品が45%に対して、輸入品が55%と過半を占めた。輸入品のうち約1割が海外通販による並行輸入品となっている。