豪州の2015年9月フィードロット飼養頭数、記録的な高水準を維持
豪州フィードロット協会(ALFA)は11月23日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している、全国フィードロット飼養頭数調査結果(2015年7〜9月期)を公表した。これによると、2015年9月のフィードロット飼養頭数は96万1328頭(前年比5.9%増、前回調査比0.5%増)となっている。また、フィードロット稼働率(収容能力に対する飼養頭数の割合)は84%(前年比2ポイント増、前回調査比4ポイント増)となり、ともに記録的な高水準を維持している(図)。
飼養頭数を州別に見ると、南オーストラリア州以外は前年より増加しており、飼養頭数の過半を占めるクイーンズランド(QLD)州では、6.1%増とかなりの程度増加した。しかしながら、前回調査比では、QLD州で8.9%増とかなりの程度増加したのに対し、それ以外の州では減少した(表)。
ALFAは、フィードロット飼養頭数の増加について、豪州産牛肉に対する海外からの需要が旺盛なことに加えて、QLD州での乾燥気候の継続に伴う放牧環境の悪化により、フィードロットの導入頭数が増加したことが背景にあるとしている。
一方、今後の見通しについて、MLAは、11月の降雨により放牧環境が改善傾向にあり、肥育農家の導入意欲が高まっていることを受けて、肥育もと牛価格が前年比1.5倍程度にまで高騰していることから、9〜12月期にかけて、フィードロット飼養頭数は減少するとしている。
なお、2015年7〜9月期の穀物肥育牛肉の輸出量は、約6万8000トン(船積重量ベース、以下同じ)と、前年同期比14%増、過去5年の同期の平均と比較しても22%増と、大幅に増加している。輸出量の約5割は日本向け(3万3016トン、前年同期比4%減)であるが、韓国向け(1万2730トン、同31%増)や米国向け(4765トン、同68%増)、また、中国向け(6470トン)も増加している。
【竹谷 亮佑 平成27年11月30日発】
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