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2015/16年度主要穀物の生産状況等調査結果(第3回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は12月11日、2015/16年度(10月〜翌9月)第3回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を発表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月発表するものである。
 これによると、2015/16年度の主要穀物の作付面積は、夏期作物と冬期作物の合計で5855万ヘクタール(前年度比1.1%増)と見込んでいる。
 このうち、第1期作トウモロコシの作付面積は、前年度に引き続き大豆への転換が進むことから前年度比6.7%の減少予測となっている。 
 一方、大豆の作付面積は3.4%の増加が予測されており、生産量は初の1億トン超えと過去最高を見込んでいる。
表1
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第1期作トウモロコシ生産、前回報告から13万トン下方修正

 2015/16年度の第1期作トウモロコシ生産は、主要生産国での豊作により国際相場が低価格で推移しており、大豆に比べて収益性が低いと見込まれることから、減産と見通している。また、ブラジルでは、肥料の多くを輸入に依存しており、ドル高レアル安で推移する現在の為替相場下では肥料代が上昇している。このため、相対的に肥料投入量が少ないとされる大豆増産の流れが続くとみられている。
 第1期作トウモロコシは、例年、8月頃から南部より順次作付けされ、翌4月頃までに大体の収穫を終える。今回の報告では、2015/16年度の第1期作トウモロコシの生産量は前年度比8.6%減と見込んでいる。これは、主要生産州で作付面積が軒並み減少する見通しにあるためであり、特に南部の穀倉地帯での顕著な減少を見込んでいる。加えて、国内最大の第1期作トウモロコシ生産州である最南部リオグランデドスル州の第1期作生産量は、降雨による水分過多の影響で単収が落ち込む可能性が高まっており、同13.1%減と予測されているほか、第3位のパラナ州の降雨も平年より多くなっている。一方、中西部では乾燥傾向にあるなど、現在、同国ではエルニーニョ現象の影響が徐々に見られている(※南部が多雨、北東部・中西部が乾燥傾向)。
 第2期作トウモロコシは、主に中西部と南部パラナ州で1〜3月にかけて作付けされ5〜8月にかけて収穫が行われ、輸出に多く仕向けられる。今回の報告では、未だ具体的な作付面積見込みが公表されておらず、前年度並みに仮置きされている。今後、春植えの夏期作物(大豆、トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々にその見通しが判明する。
図2
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 また、CONABは、新興農業開発地域である北東部を中心としたマトピバ地域の2015/16年度のトウモロコシ生産量を、前年度比5.9%減と見込んでいる。マトピバ地域では土壌改良が進み優良農地が拡大する中、大豆の生産が増加する一方、トウモロコシの生産は相対的に減少傾向となっている。
表3

大豆生産量、前回報告から46万トン上方修正

 2015/16年度の大豆生産量は、前年度比6.5%増と初めて1億トンを超える見込みである。この要因として、大豆の国際価格は低迷しているものの、生産コストが低く、トウモロコシよりも収益性が高いことに加え、生育不良リスクが低いことが挙げられる。前回報告から、全体的に単収が若干上方修正されたことから、46万トン上乗せされた。
 例年、大豆の作付けは9月頃から順次開始され、12月までにほぼ終了する。2015/16年度は、最大生産州のマットグロッソ州で、降雨不足によりかんがい地域以外の作付けが遅れ気味であるものの、ほぼ全ての州で作付面積が前年度を上回る予測となっている。
 主要生産州の単収について、南部のリオグランデドスル州(国内第3位の大豆生産州)は水分過多、マットグロッソドスル州(同4位)が作付時の土壌水分不足の影響により減少が見込まれるものの、それ以外の主要州は現在のところ良好とされている。
図3
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 なお、CONABは、これまで大幅な伸びを記録してきたマトピバ地域の2015/16年度の大豆生産量を、主に作付面積の拡大により、かなりの程度増加すると見込んでいる。
表5
【米元 健太 平成27年12月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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