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豚肉の民間在庫補助(PSA)が終了(EU)

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 欧州委員会は2016年1月26日、同年1月4日から実施していた豚肉の民間在庫補助(PSA)について、同年1月20日をもって終了したと発表した。実施期間は2週間半であった。
 欧州委員会によると、期間中の申請実績は加盟28カ国のうち18カ国から合計8万9841トンとなった。2015年3月9日から8週にわたって実施された前回の実績(6万3507トン)をわずか2週間半で大幅に上回った。これは豚枝肉卸売価格が前回と比較して100キログラム当たり1割程度安い125.95ユーロ(1万6374円:1ユーロ=130円)であったのに加え、補助額が約2割引き上げられていることによるものと思われる。
 加盟国別の実績を見ると、ドイツ(占有率29.1%)とスペイン(同21.5%)でEU全体の約5割を占め、次いでデンマーク(同13.0%)、オランダ(同12.0%)と主要豚肉輸出国である上位4カ国で7割強を占めた(表1)。
 品目別に見ると、モモ(骨抜き)が4万8135トン(占有率:53.6%)と最も多く、次いでロシアの禁輸措置の打撃を受け、今回から新たに対象となった豚脂が8714トン(同9.7%)の申請となった。また、保管期間別では、最も短い90日間が6万280トン(同67.1%)と最も多く、多くは短期的な需給の改善を見込んでいたと考えられるが、最も長い150日間も同24.9%となり、反対に、短期的には需給は改善しないと見ていた者も多かったことが伺える(表2)。
 PSAは、生産量増加やロシアの禁輸措置などにより価格が低迷しているEU豚肉産業の救済策として実施された。豚枝肉卸売価格は、例年、この時期は下降する傾向にありながらも直近の1月11日の週は前週から1.2%高となる100キログラム当たり127.48ユーロ(1万6572円)となっており、欧州委員会はPSAによる好ましい効果があったとしている。なお、欧州委員会は、今回のPSAの実施に当たり申請期限や対象数量を設けてはいなかったが、業界の一部では、今回の対象数量について、6万トン強で打ち切られた前回実績より幾分多い10万トン程度ではないかとも実施当初から言われていた。
表1
表2
【大内田 一弘 平成28年1月27日発】
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