米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が1月29日に公表した牛の飼養動向調査「Cattle」によると、2016年1月1日現在の全米の牛飼養頭数は、前年比3.2%増の9199万頭と、2年連続で前年を上回った(表)。2012年の干ばつにより繁殖雌牛が淘汰された後、放牧環境が改善し、飼料価格も安価に推移するなど、良好な飼育環境が続いていることから、牛群の再構築が継続しているとみられる。
飼養頭数を種類別に見ると、肉用牛については、繁殖雌牛(経産牛)が同3.5%増の3033万頭、2017年以降の牛飼養頭数に影響してくる繁殖後継牛も、同3.3%増の629万頭となった。これは、肥育もと牛の価格が2015年の特に前半まで堅調に推移し、生産者の生産意欲を刺激したためと考えられる(図1)。
一方、乳用牛については、繁殖雌牛は2015年の乳価の下落を受けて、同0.1%増の932万頭とほぼ横ばいとなったものの、繁殖後継牛は同2.4%増と増加しており、2016年終わりから2017年にかけて、生乳生産量が増加するものとみられる(図2)。