韓国農林畜産食品部は2月5日、「2016年米特別在庫管理対策」の一環として、2012年産の備蓄玄米を飼料用として放出することを決定し、公表した。概要は次の通り。
・放出は、2012年産の備蓄玄米9万9000トン。販売価格は、1キログラム当たり200ウォン(約20円)で、食用米より安価であり、飼料用のトウモロコシや小麦などの取引価格と同水準となっている。
・販売期間は、2016年2月から12月までとされ、販売先は、飼料管理法に基づき登録されている飼料メーカーに限定されている。
・また、各飼料メーカーが所属している団体別に割当数量が定められており、商系の韓国飼料協会が6万1000トン、農協飼料と専門農協などの農協系が2万8000トンのほか、韓国飼料原料協会が1万トンとなっている。
・飼料以外の目的に利用されないよう、「飼料米の管理基準」を設けて、地方政府や飼料関連団体が定期的に検査を実施する予定となっている。
・農林畜産食品部は、2月12日から各飼料メーカーの購入量や購入時期などをとりまとめ、早ければ2月22日から販売する計画としている。
現地報道によると、飼料メーカーは、様子を見ている状況とのことであるが、以下のコメントを出している。
(1) 配合飼料の配合は、メーカーごとに異なっており、どの程度需要があるのか不透明
(2) 豚や鶏用の飼料として米を利用できることはわかっているが、配合比率によってどのような栄養価になるのか不明
(3) 既に利用実績のあるペットフード向け利用は可能
また、今回、備蓄米を飼料用に放出して余剰在庫を減少させることには、多くの関係者の賛同が得られているとしている。しかしながら、備蓄米を飼料用として利用した前例がなく、そのための制度が整っていない点を指摘する声や、米を配合飼料に利用した場合の畜種別の発育状況への影響や畜産物の栄養価の違いなどを分析したデータがなく、これらの分析データを求める声が飼料メーカーや生産者から出ているとしている。これに対し、農林畜産食品部は、今後、米を飼料用として利用する方法を制度化することや、米を飼料に利用した場合の畜産物の栄養価の研究なども計画しているとしている。