中国国務院系ニュースサイトの中国網によると、豪州政府は2月24日、中国人実業家の盧先鋒氏と同氏が出資する投資会社が、豪州最大級の酪農場であるヴァン・ディーメンズ・ランド(VDL:タスマニア州)を2億200万米ドル(1米ドル=113円:228億2600万円)で買収することを承認した。
この買収について豪州のスコット・モリソン財務相は、「タスマニア州の重要産業である酪農業にとって雇用機会と投資の増大につながるものであり、国益と衝突しない海外からの投資はこれまで通り歓迎する」とコメントしていると伝えている。
一方、豪ヘラルドサン紙は、近年豪州で増えている中国人による育児用調製粉乳(育粉)の大量購入の動きとともに、今回の買収は長期的に豪州の乳製品需給に良い影響を与えないのではと警鐘を鳴らしている。今回の買収の阻止を目指した豪州の女性富豪ジェーン・キャメロン氏は、「VDLは豪州最大級の酪農場であり、これが国外企業に買収されることは、豪州国民が必要とする乳製品が将来的に不足するのでは」と懸念を表している。