豚飼養頭数、スペインが最大に(EU)
欧州委員会は3月3日、2015年12月時点の豚飼養頭数(EU28カ国)を公表した。EU28カ国の総飼養頭数は、前年比0.4%増の1億4894万頭と前年並みであった。内訳を見ると、母豚がわずかに減少(同1.8%減)しているものの、生体重20〜50キログラム未満の子豚は同1.0%増、生体重50キログラム以上の肥育豚は同1.0%増とそれぞれわずかに増加している。
また、国別では、スペインは前年比6.8%増となる2836万7000頭(EU全体に占める割合は19.0%)となり、同2.8%減の2753万5000頭(同18.5%)に減少したドイツを抜いて、EU最大の豚飼養頭数となった。
スペインとドイツは、欧州の2大豚肉生産国であるが、その養豚生産構造は大きく異なり、スペインの繁殖母豚頭数が246万6000頭であるのに対し、ドイツは同197万頭と少ない。一方、肥育豚頭数(50キログラム超)は、スペインの1135万8000頭に対し、ドイツは1195万7000頭と多く、これは、ドイツの養豚が多数の肥育もと豚をデンマークやオランダなどから輸入していることによる。このため、豚肉生産量についてはドイツがEU最大の生産国となっている。
(参考):豚肉生産量(2015年。枝肉ベース)は、ドイツ(556万2000トン、EU全体に占める割合は24.2%)、スペイン(389万6000トン、同17.0%)
なお、日本の豚肉の輸入先国としてEU最大のデンマークの総飼養頭数は前年並み(前年比0.1%減)となった。子豚の飼養頭数は同2.8%増と増加しているものの、肥育豚は同1.7%減と減少しており、これは、ドイツやポーランドなどへの子豚の生体輸出が多かったことによる。
【中野 貴史 平成28年3月8日発】
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