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2015/16年度主要穀物の生産状況等調査結果(第7回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月7日、2015/16年度(10月〜翌9月)第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
 これによると、2015/16年度の主要穀物の作付面積は、夏期作物と冬期作物の合計で5839万ヘクタール(前年度比0.8%増)と見込んでいる。
 このうち、第1期作トウモロコシの作付面積は、トウモロコシ国際相場の低迷で収益性が相対的に良好となっている大豆への転換が前年度に続き進んだことから、前年度比9.2%減の予測となっている(表1)。
 一方、大豆の作付面積は、前年度比3.2%増と予測しているが、これまでの第1〜6回の調査で1億トンを上回ると予想されてきた生産量は、単収の低下により1億トンを割り込む下方修正となった(図1)。
表1
図1

第1期作トウモロコシ生産量、前回報告から71万トン減

 第1期作トウモロコシは、例年、8月ごろから南部より順次作付けされ、翌4月ごろまでに収穫をほぼ終える。今回の報告では、2015/16年度の第1期作トウモロコシの生産量は、前回報告から71万トン下方修正され、前年度比8.5%減を見込んでいる。
 これは、主要生産州の作付面積が軒並み減少するとの見通しによるもので、特に作付面積の5割強を担う南部および南東部の穀倉地帯で顕著な減少が見込まれている。
また、南部のパラナ州やサンタカタリーナ州では、第1期作トウモロコシの作付期に当たる10〜11月の過剰な降雨により肥料栄養素が流出してしまったほか、受粉期に降雨不足に陥ったことで生産性も低下している。
 第1期作トウモロコシ生産量が減少と見込まれる中で、レアル安などを要因に2015年10月以降、輸出量が前年を大幅に上回って伸長した結果、南部を中心に飼料用トウモロコシ需給が逼迫傾向にあり、畜産物生産への影響も懸念されている(図2、3)。
図2
図3

第2期作トウモロコシ生産量、前回報告から185万トン増

 第2期作トウモロコシは、主に中西部と南部パラナ州で1〜3月にかけて作付けが行われ、5〜8月に収穫される。
 今回の報告では、2015/16年度の第2期作トウモロコシの生産量は、前回報告から185万トン上方修正され、前年度比4.7%増を見込んでいる。これは、国内第2位の第2期作トウモロコシ生産州であるパラナ州の作付面積が、昨年末からの相場高を受け、同12.5%増と上方修正されたことが大きい。このほか、同第3位のマットグロッソドスル州の単収、降雨過多の影響が限定的で生育が良好であり、生産見込みを押し上げる要因となった。
 なお、最大生産州であるマットグロッソ州では、大豆の作付・収穫が天候不順で遅れたことにより、第2期作トウモロコシの播種時期が平年よりも後ずれし、生育・収穫期の大半が乾季(4〜9月)と重なるとみられる。これにより、生育リスクが高まる結果、同州の単収は同1.6%減と見込まれる。なお、農業コンサルタント会社は、同州の土壌水分不足傾向を受け、今後の降雨次第で第2期作トウモロコシ生産量が減少する可能性があるとしている。

マトピバ地域のトウモロコシ生産量、前回報告から大幅に下方修正

 CONABは、新興農業開発地域である北東部を中心としたマトピバ地域の2015/16年度のトウモロコシ生産量について、マラニョン州を除く3州で降雨不足により単収が低下したことなどを受け、同21.3%減となる500万トンと見込んでいる(表2)。マトピバ地域では近年、土壌改良が進み優良農地が拡大し、大豆の生産が増加する一方、トウモロコシ生産は相対的に減少傾向となっている。
表2
参考コーン

大豆生産量、1億トン割れに下方修正

 例年、大豆の作付けは9月頃から順次開始され、12月までにほぼ終了する。
 今回の報告では、2015/16年度の大豆生産量は、前回報告から220万トン減少し、過去最高ではあるものの1億トンを割り込んだ。この要因として、作付面積は前年度を上回るものの、マットグロッソ州の降雨不足やパラナ州の病害(アジアさび病)により、単収が下方修正されたことが挙げられる。

マトピバ地域の落ち込みが下方修正の主因

 CONABは、これまで大幅な伸びを記録してきたマトピバ地域の2015/16年度の大豆生産量について、エルニーニョ現象の影響で乾燥した状況が続いたことを受け、前回報告から152万トン下方修正した。作付適期に播種ができなかった影響で、単収が落ち込んだり、他作物への転換を余儀なくされたことから4州すべてで下方修正された。同地域最大生産州のバイーア州ではかんがい設備を導入している農家が多いことから、単収は他3州より落ち込みが小さいものの12.2%減と見込まれている。
表3
参考大豆
【米元 健太 平成28年4月13日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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