ブラジルでは、経済低迷が続く中、財政が大幅に悪化しており、企画省のもとで財政支出の削減・健全化が進められている。
こうした中、現地報道によると、地理統計院(IBGE)は4月18日、2017年上半期の実施を予定していた農業センサス調査について、予算の大幅削減を受け、延期を決定した。
同調査は10年に一度実施されており、前回は2007年に行われた。8万人規模の調査員により、国全体の農地および牧草地面積など大枠の数値に加え、規模別品目別農家の経営実態(栽培面積、従業員数、農薬や水資源の利用状況、機材導入状況、農地内の保全林の有無など)といった詳細なデータを収集するため、膨大な費用を必要としている。
今回の延期で、政府が把握する統計情報が実態と乖離し、今後の農業政策や国内総生産(GDP)などの各種統計への影響が懸念される。
IBGEは、同調査を2018年には実施したいとされるが、2015年にも予算不足で人口調査を一部中止している例もあることから、今後、同国の統計に対する信頼性が揺らぐ可能性も指摘されている。