米国農務省経済調査局(USDA/ERS)は4月25日、2016年3月の消費者物価指数(CPI)を公表した。これによると、食品全体のCPIは、外食の上昇がけん引し、前年同月比0.8%上昇した。一方、年間の予測値は、原油安による輸送コストの低下や米ドル高の為替相場による輸出減少見込みにより、前月の予測値から下方修正された。
品目別に見ると、牛肉は前年同月比5.1%の下落となった。下落要因としてUSDAは、牛肉輸出量の減少による国内供給量の増加に加え、縮小していた牛群の再構築が進んだことを挙げている。今後も同様の傾向で推移することから、年間では、前年比1.0〜2.0%の下落を見込んでいる。
豚肉は、同5.6%の下落となった。豚流行性下痢(PED)により減少していた豚飼養頭数が回復したことにより、前年から引き続き下落傾向で推移している。
家禽肉は、生産量の増加に加え、HPAI発生に伴う輸出先国の禁輸措置および米ドル高の為替相場による輸出量の減少により、同4.0%の下落となった。
また、鶏卵は、同0.7%の上昇となった。上昇要因としてUSDAは、2014年末から発生した高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)による採卵鶏の減少および1羽当たりの採卵数の減少を挙げている。ただし、採卵鶏の増加が図られていることから、年間では、前年比9.0〜10.0%の下落を見込んでいる。