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ブロイラーおよび肉豚生産コストが上昇(ブラジル)

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 ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)の養鶏・養豚調査センター(CIAS)が毎月公表しているブロイラーおよび肉豚生産コスト指数(注)によると、2016年2月の生産コスト指数がいずれも過去最高を記録した。これは、昨今のトウモロコシ需給逼迫を受けて、飼料用トウモロコシの価格が大幅に上昇していることによる(図1、2)。
 同指数は3月に多少低下したものの、国家食糧供給公社(CONAB)などによる2015/16年度(10月〜翌9月)の第2期作トウモロコシの生産予測が下方修正される中、今後の生産コスト上昇懸念が高まっている。

(注)ブロイラー生産コスト指数は2010年1月の生産コスト、肉豚生産コスト指数は2005年1月の生産コストをそれぞれ100としている。
図1
図2
 なお、EMBRAPAが公表しているブロイラーおよび肉豚生産コストは、いずれも飼料費が最も大きな割合を占めている(表)。
表
 ブラジル貿易審議会(CAMEX)は4月19日、トウモロコシ不足を補うために、南米南部共同市場(MERCOSUR)の加盟国以外からトウモロコシを輸入する際の対外共通関税(TEC)を5〜10月の6カ月間、最大100万トンを上限に一時的に非課税とすることを発表している。これにより、米国やウクライナなどからのトウモロコシ輸入が増加するとみられており、今後のトウモロコシ需給やブロイラーや肉豚の生産コストの推移に注目が集まっている。
【米元 健太 平成28年5月6日発】
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