デンマーク統計局は5月17日、2016年4月1日現在の豚飼養頭数を発表した。これによると、総飼養頭数は前年比0.5%減の1242万頭となり、6年ぶりの減少となった。
内訳を見ると、繁殖豚は全体で同1.5%減(124万頭)となった。このうち妊娠母豚は、長期化する豚枝肉卸売価格の低迷などにより、同3.7%減(76万頭)となった。妊娠母豚の減少は、豚飼養頭数を減少に転じさせる大きな要因となったが、需給を引き締める可能性がある。また、繁殖仕向け雌豚は同7.4%増(22万頭)となった。このことについては、生産者がさらに需給を引き締める試みとして、種付けを遅らせている可能性があると業界は見ている。
離乳子豚は同2.4%増(570万頭)と増加した。これにより、短期的には生産がわずかに増加するとみられる。しかし、初生子豚は同5.1%減(274万頭)となっており、中期的には再び減少に転じるとみられている。
同国の豚枝肉卸売価格は、2016年に入りキログラム当たり9デンマーク・クローネ(153円:1デンマーク・クローネ=17円)を少し上回って推移していたが、3月に同8.70DKK(148円)まで下落している。直近の4月には反発して前年比6.1%安の9.21DKK(157円)となっているが、同価格の低迷は続いている。