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トウモロコシ価格高騰による鶏肉減産懸念(ブラジル)

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 ブラジルでは、飼料用トウモロコシの需給逼迫に伴う相場高が続いている(図)。これにより、世界最大の鶏肉輸出国である同国の鶏肉生産もコスト高を受けて減産を免れない見込みで、輸出への影響が懸念されている。
 現地報道によると、ブラジル動物性たんぱく質協会(ABPA)のフランシスコ・トゥーラ会長は、「ブロイラーの生産コストが上昇する一方、国内鶏肉価格が低迷していることから、特に中小規模の養鶏農家や鶏肉処理加工場が影響を受け生産を縮小するケース等も発生しており、国内の鶏肉生産は低迷している」と述べている。
 こうした中、国内鶏肉取扱高第2位のJBS社にブロイラーを供給するMinuano社は、リオグランデドスル州パソフンド農場を閉鎖し、他の生産拠点に集約することを決定した。また、国内第3位の農協系Aurora社では、サンタカタリーナ州のアベラルド・ルズ工場の7〜8月の鶏肉生産を50%減らすとしている。サンタカタリーナ州養鶏協会(ACAV)によると、各鶏肉企業は、従業員の解雇や生産ラインの稼働率引き下げ、工場の一時閉鎖などの対応を迫られている。
 国内トウモロコシ相場の高騰から、パラグアイ産やアルゼンチン産のトウモロコシ輸入が加速しており、2016年の飼料用トウモロコシ輸入量は、前年比4倍増となる150万トン程度が見込まれている。2015/16年度(10月〜翌9月)の第2期作トウモロコシの収穫が徐々に本格化する中、同国の鶏肉産業は、今後の国内トウモロコシ相場の動きに注目している。
図
【米元 健太 平成28年6月3日発】
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