現地報道によると、世界最大の鶏肉輸出国であるブラジルの鶏肉生産最大手のBRF社は6月初旬、飼料用トウモロコシの需給逼迫による生産コストの記録的な上昇と鶏肉価格の低迷による収益性悪化を受け、生産体制を集約する目的でゴイアス州ジャタイ工場とリオグランデドスル州ラジェアド工場の2つの鶏肉処理加工場を一時閉鎖する計画を発表した(図1、2)。両プラントの閉鎖期間は、ジャタイ工場が6月30日まで、ラジェアド工場 が7月18〜31日までとされている。
ブラジルでは2015年10月以降、レアル安ドル高の進展に伴ってトウモロコシ輸出が急増して国内需給の逼迫を招いた結果、トウモロコシ相場は年初から高騰が続いている(図)。
今後のトウモロコシ相場の見通しとしては、2015/16年度の第2期作トウモロコシの収穫が徐々に本格化する中、ある程度の下落が見込まれるとされてきたが、南部パラナ州における霜害懸念が生じるなど、昨年と比べると高値の状況が今後も暫く続くとみられている。
BRF社のほか、JBS社やAurora社などの鶏肉生産大手各社も生産調整に動く中、同国の2016年の鶏肉生産量と輸出量は、前年を下回る可能性が出てきている。