韓国統計庁、2015年農家経済調査の結果を公表(韓国)
韓国統計庁は5月24日、2015年農家経済調査の結果を公表した。
農家経済調査は、農業法人を除く全国の農家のうち2600戸を抽出し、1月1日から12月31日までの所得、支出、資産および負債について調査したもので、毎年4月下旬から5月下旬に公表される。
1 農家所得
農家所得は、前年比6.5%増の3721万5000ウォン(334万9350円:1ウォン=0.09円)であった(表1)。
農家所得の内訳を見ると、農業所得が同9.3%増の1125万7000ウォン(101万3130円)、農外所得が同0.9%増の1493万9000ウォン(134万4510円)、年金等の所得が同15.9%増の790万6000ウォン(71万1540円)、一時所得が2.8%増の311万4000ウォン(28万260円)と、それぞれ増加した。
農外所得は、前年同様、農業所得を上回ったが、農業所得が前年よりかなり増加したことから、農家所得に占める割合は40.1%と、前年の42.3%から低下した。
農業所得
農業総収入は、同4.6%増の3365万4000ウォン(302万8860円)であった(表2)。このうち、農産物収入は、豆類、果実などの販売収入の減少で、同0.8%減の2276万ウォン(204万8400円)になったのに対し、畜産収入は韓牛、豚などの販売収入の増加で、同16.1%増の1053万ウォン(94万7700円)となった。
農業経営費は、資材費や人件費の上昇により、同2.4%増の2239万8千ウォン(201万5820円)となった。
農業総収入の増加が農業経営費の増加を上回ったことで、農業所得は、前年比9.3%増の1125万7000ウォン(101万3130円)となった。
農業所得以外の所得
農業所得以外の所得のうち、農外所得は、前年比0.9%増の1493万9000ウォン(134万4510円)であった(表3)。
このうち、農外事業所得は、兼営する飲食・宿泊業などの事業収入の減少で、同0.5%減の373万3000ウォン(33万5970円)となった。
農外給与所得は、同1.4%増の1120万6000ウォン(100万8540円)となった。
年金等の所得は、基礎年金受給額などの増加により、同15.9%増の790万6000ウォン(71万1540円)となった。
一時所得は、同2.8%増の311万4000ウォン(28万260円)となった。
2 経営品目別の農家所得
農家所得を経営品目別に見ると、畜産経営が7964万9000ウォン(716万8410円)と最も高く、次いで果樹経営が3403万9000ウォン(306万3510円)と続き、畜産経営以外は、農家平均を下回った(表4)。
畜産経営は、農家所得だけでなく、家計支出、資産、負債も他の経営品目を上回っており、中でも負債は、家畜導入資金といった借入金などにより、農家平均の2.6倍の7148万2000ウォン(643万3380円)となった。
3 家計支出
家計支出は、前年比0.2%増の3061万3000ウォン(275万5170円)であった(表5)。
このうち、消費支出は、衣類や教育費などが減少した一方、たばこ代や娯楽費などが増加したことにより、同1.0%増の2471万1000ウォン(222万3990円)となった。
一方、非消費支出は、社会保険料などが増加したものの、同3.6%減の587万2000ウォン(52万8480円)となった。
4 資産および負債
資産は、前年比5.0%増の4億5358万ウォン(4082万2200円)であった(表6)。
このうち、固定資産は、農地や家畜の評価額が増加したことにより、同2.5%増の3億5879万3000ウォン(3229万1370円)となった。
また、流動資産も、棚卸資産と当座資産の増加により、同15.7%増の9478万7000ウォン(853万830円)となった。
一方、負債は、農業用資金と生活応急資金の借入額が増加したものの、その他資金の借入額が減少したことにより、同2.4%減の2721万5000ウォン(244万9350円)となった。
【伊澤 昌栄 平成28年6月16日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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